この記事では、木造住宅の耐震性について解説します。
日本は地震大国とされており、住宅の耐震性が非常に重要です。特に、日本の多くの戸建て住宅は木造であり、地震に対する強さや注意点を知っておく必要があるでしょう。
木造住宅は揺れによる影響が小さく、比較的安価で施工しやすいというメリットがあります。ただし、設計や施工の質が耐震性に大きく影響することには注意が必要です。
この記事では、地震に強い家を選ぶポイントも紹介します。木造住宅のメリットとデメリットも合わせてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
木造住宅の耐震性は高いのか
木造住宅の耐震性は、施工の質や設計の内容などによって変動します。ここでは、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造に分けて以下の表にまとめました。木造住宅は素材のしなやかさにより、地震による揺れを吸収しやすい点が特徴です。また、比較的軽量な木造住宅は、揺れによる負担が小さいメリットもあります。
ただし、木造住宅の耐震性能は、設計と施工の質に大きく依存します。特に、1981年に改正された新耐震基準、あるいは2000年に改正された現行の耐震基準に基づいた設計がなされているかどうかがポイントです。
震度6強程度の大地震でも倒壊・崩壊しない住宅の建築が求められるようになったため、木造住宅であっても十分な耐震性が備わっています。しかし、改正前の建物や施工不良がある場合、地震に対する強度が不十分なおそれがあるため注意が必要です。
木造住宅における地震対策の考え方
木造住宅の地震対策は、3つの軸で考えることが重要です。以下の表に簡単にまとめました。
それぞれ、地震による影響を減らすために非常に重要な要素です。木造住宅の耐震性を考える際は、ぜひ参考にしてください。
耐震
耐震は、建物そのものの強度を高めて、地震による揺れに耐える構造です。建物の柱や梁、壁を強化し、地震の揺れによる損傷を最小限に抑えることが目的です。
現行の耐震基準では、震度6強程度の大地震でも倒壊・崩壊して人が命を失うことがないだけの耐震性が必要になります。
制震
制震は、建物内部に設置されたダンパーや制震装置によって、地震の揺れを吸収し、軽減する技術です。
建物の揺れが少なくなり、内部の家具や設備への被害が抑えられます。ただし、装置の設置コストが高く、定期的なメンテナンスが必要というデメリットがあります。
免震
免震は、建物と地面の間に免震装置を設置し、建物自体を地面から切り離すことで、地震の揺れが直接建物に伝わらないようにする技術です。
免震構造を採用すると、地震が発生したときの建物の揺れを大きく軽減できます。特に、大地震でも建物へのダメージが少なく、命や財産を守る上で大きな効果を発揮します。
ただし、初期費用が非常に高く、免震装置を設置するための土地条件やスペースが必要です。
木造住宅のメリット
ここからは、木造住宅の主なメリットについて見ていきましょう。
⚫︎地震の揺れの影響が小さい
⚫︎建築コストを抑えられる
⚫︎1年を通して快適に過ごせる
⚫︎間取り・デザインの自由度が高い
それぞれ順番に解説します。
地震の揺れの影響が小さい
木造住宅は、他の構造と比べて軽量であるため、地震の揺れに対する影響が小さいのが特徴です。
木材はある程度の柔軟性を持っており、揺れに追随しながら吸収するため、建物全体が大きな損傷を受けにくいとされています。
また、現行の耐震基準に基づいた設計が施されていれば、木造住宅でも高い耐震性を確保できるため、安心して住むことが可能です。
建築コストを抑えられる
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して、建築コストを抑えられるのが大きなメリットです。木材は比較的安価で加工も容易なため、施工期間が短い傾向にあります。
また、木材は国内で容易に調達できる資材であり、輸送コストも低く抑えられるので、結果的に全体のコストダウンにつながります。
1年を通して快適に過ごせる
木材は自然素材であり、断熱性や調湿性に優れています。そのため、夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現でき、年間を通じて快適に過ごすことが可能です。
特に、木材の特性である調湿機能によって室内の湿度を適度に保てるため、梅雨の時期や冬の乾燥した季節でも快適な空間を維持することが可能です。
間取り・デザインの自由度が高い
木造住宅は、設計の自由度が鉄骨造に比べて高いことが特徴です。木材は加工しやすく、間取りやデザインを柔軟に変更できます。
リフォームや増改築も比較的容易に行えるため、将来的なライフスタイルの変化にも対応しやすいといえます。オリジナリティ溢れるデザインや、家族のニーズに合わせたカスタマイズができるのは、木造住宅の大きな魅力です。
木造住宅のデメリット
木造住宅には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
⚫︎シロアリなどの害虫対策が必要
⚫︎鉄骨造住宅よりも耐用年数が短い
⚫︎防音性・気密性に不安が残る
それぞれ、順番に見ていきましょう。
シロアリなどの害虫対策が必要
木造住宅は、シロアリなどの害虫による被害を受けやすい点がデメリットです。特に湿気が多い地域や、地面に近い部分はシロアリの侵入リスクが高くなるため、定期的なメンテナンスや害虫対策が不可欠です。
対策として、シロアリ駆除剤を使用したり、基礎部分にコンクリートを使った「ベタ基礎」構造にしたりすると、害虫の侵入を防げます。
鉄骨造住宅よりも耐用年数が短い
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅に比べて、耐用年数が短いとされています。木材は湿気や温度変化の影響を受けやすく、劣化が進むスピードが速いことが理由です。
木造住宅の法定耐用年数は22年とされています。ただし、法定耐用年数とは、あくまで固定資産の価値が帳簿上消滅するまでの期間のことです。法定耐用年数の22年が経過したからといって住めなくなるわけではありません。
木材の加工技術や防腐・防蟻処理が進化した現在では、適切なメンテナンスを行うことで、木造住宅でも50年以上の長期にわたって住み続けることが可能です。
比較的新しい木造住宅では、断熱材や防湿シートを設置することで、湿気や害虫の被害を最小限に抑えていることも多くあります。
防音性・気密性に不安が残る
木造住宅は、鉄骨造やコンクリート造に比べると防音性や気密性に劣る傾向にあります。木材は音を吸収しにくいため、外部の騒音や隣室からの音が伝わりやすくなることがあります。特に都市部や騒音が気になる環境では、騒音対策が必要です。
また、気密性の面でも課題があります。木材は温度や湿度に影響されて収縮や膨張を繰り返すため、建物が時間とともに隙間ができ、断熱効果が低下することがあります。
対策としては、遮音シートや断熱材の使用、二重サッシなどを取り入れることで防音・気密性能を向上させることが可能です。
地震に強い木造住宅を選ぶポイント
ここでは、地震に強い木造住宅を選ぶための重要なポイントを解説します。
⚫︎地盤の強さを確認する
⚫︎耐震性の高さが強みの建築会社を選ぶ
⚫︎アフターサービスが充実している建築会社を選ぶ
順番に見ていきましょう。
地盤の強さを確認する
地震に強い住宅を建てる上で、まず確認すべきは地盤の強さです。どれだけ耐震性の高い設計でも、地盤が弱ければ建物が傾いたり地盤沈下が発生したりするリスクがあります。家を建てる際は、必ず地盤調査を行い、その土地が建物を支えられるかどうかを確認しましょう。
強固な地盤であれば、建物に伝わる揺れが小さくなり、地震の被害を最小限に抑えられます。弱い地盤の場合は、地盤改良工事を検討する必要があります。
耐震性の高さが強みの建築会社を選ぶ
木造住宅の耐震性は、建築会社の技術力や設計によって大きく異なります。住宅を建てる際には、耐震性に強みを持つ建築会社を選ぶことが重要です。
建築基準法に基づいた耐震設計を超える独自の技術や、制震・免震装置の導入を積極的に行っている会社を選べば、地震に強い住宅を建てられるでしょう。建築会社に過去の耐震実績や、技術的な強みを確認しましょう。
アフターサービスが充実している建築会社を選ぶ
建築後のアフターサービスが充実している建築会社を選ぶこともポイントです。なぜなら、アフターサービスが充実している会社ほど、施工品質に自信を持っていると考えられるからです。
また、住んでいる中で気になったことを気軽に相談できる体制の建築会社であるかどうかもポイントです。耐震性について不安なことがあっても、最適な提案で不安を解消してくれるでしょう。
耐震性に優れた木造住宅なら横尾材木店
耐震性に優れた木造住宅を検討している人は、横尾材木店へご相談ください。
横尾材木店では、地震や災害、シロアリなどに強い「ダイライト」と呼ばれる高性能の耐力面材を使用しています。ダイライトは、シロアリによる被害や大規模な地震にも強いことが特徴です。
さらに、横尾材木店では、使用する木材の品質にも徹底的にこだわり、産地や加工方法において信頼性が高いと判断されたもののみを使用しています。また、購入後のサポート体制も充実しており、万が一のときでも安心して暮らし続けることが可能です。
耐震性に優れた木造住宅で安心して暮らしたい人は、ぜひ横尾材木店にご相談ください。
木造住宅の耐震性に関するよくある質問
ここでは、木造住宅の耐震性に関するよくある質問を紹介します。
⚫︎木造住宅で地震に強い工法は?
⚫︎木造住宅に住みながら耐震補強することは可能?
⚫︎木造住宅の住宅性能を維持するメンテナンス方法は?
疑問の解消にお役立てください。
木造住宅で地震に強い工法は?
木造住宅で地震に強い工法として、ツーバイフォー工法が挙げられます。
ツーバイフォー工法は北米発祥の建築技術で、断面が「2×4インチ」の木材を用いて面で支える構造が特徴です。耐震性や断熱性に優れており、短期間低コストで建築できます。
一般的に、在来工法はツーバイフォー工法より耐震性が低い傾向にあります。
在来工法は、柱や梁、筋交いといった軸組材を組み合わせて建物の構造を支える方式であり、木材のフレームによって建物を形成します。自由度の高い家づくりができるほか、取り扱える建築会社が多いのが特徴です。
ただし在来工法であっても、ツーバイフォー工法より耐震性に優れた木造住宅はあります。特に耐震性を高めたい場合、耐力壁や構造用面材を組み込むことで、地震の揺れに強い構造にできます。
木造住宅に住みながら耐震補強することは可能?
部分的な耐震補強であれば、住みながら行うことは可能です。例えば、耐力壁の追加や筋交いの強化、接合部の補強金具の取り付けなど、住みながらの施工が可能なケースが少なくありません。
工事の規模によっては、工事中に仮住まいが必要な場合もあります。事前に業者と相談して、負担の少ない方法で補強工事を進めましょう。
木造住宅の住宅性能を維持するメンテナンス方法は?
外壁や屋根の点検・補修は定期的に行いましょう。ひび割れや雨漏りを定期的に確認し、必要に応じて補修する必要があります。
また、床下や基礎部分のシロアリ被害の早期発見が重要です。防蟻処理を行うことで、シロアリによる被害を抑えることが可能です。
耐震性の高い木造住宅で災害リスクに備えよう
木造住宅は木材のしなやかさにより、揺れを吸収しやすい特徴があり、軽量性により揺れによる被害が小さくなります。ただし、耐震性は設計や施工の質が大きく影響するため、注意が必要です。
耐震性に優れた木造住宅を検討している人は、横尾材木店へご相談ください。こだわりの材料で安心安全な生活を続けられるほか、長期間のサポート体制によるメンテナンスや点検も可能です。