この記事では、木造住宅の耐用年数について解説します。
家を買う際、耐用年数は重要な要素の1つです。特に木造住宅の場合、法定耐用年数は建物の価値が時間と共に下がる減価償却に関連するため、知っておく必要があります。
この記事では、減価償却に影響する木造住宅の法定耐用年数と、実際の寿命を解説します。長く住み続けるためのポイントも合わせてお伝えするので、木造住宅の購入を検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
木造住宅の耐用年数は22年
住宅の法定耐用年数とは、減価償却する際の課税の公平性を保つために法律で決定された年数です。例えば、新築の住宅と築50年が経過した住宅の固定資産税が同等である場合、公平な税負担であるとはいえません。
法定耐用年数はあくまで減価償却などで用いる計算用の数値であり、住宅の実際の寿命とは異なります。国税庁によると、木造住宅は法定耐用年数は22年です。
これを踏まえて、以下の2点を確認しましょう。
⚫︎法定耐用年数に影響する減価償却とは?
⚫︎減価償却の計算方法
1つずつ解説します。
法定耐用年数に影響する減価償却とは?
減価償却は、資産の価値が時間とともにどれだけ減少するかを示す数値です。ビルや機械などの固定資産の初期投資額を、その資産が価値を持つ期間(法定耐用年数)に分けて計算します。
法定耐用年数は資産の種類や使用状況に基づき決定され、年数が長いほど年間の減価償却額は小さくなります。
減価償却の計算方法
減価償却は、資産の取得価格を法定耐用年数で割って計算します。例えば、耐用年数が22年の木造住宅を5,500万円で取得した場合、年間の減価償却額は以下の通りです。
5,500万円÷22年=250万円
この住宅の場合、年間の価値損失は250万円だといえます。減価償却の計算によって、資産が時間の経過とともにどれくらい価値を失うかを推定できます。
法定耐用年数以外に木造住宅の寿命を示す指標
木造住宅の寿命を示す指標には、法定耐用年数だけでなく他にもいくつかの指標があります。 ここでは、下記3点についてそれぞれ解説します。
⚫︎物理的耐用年数
⚫︎経済的耐用年数
⚫︎期待的耐用年数
それぞれ見ていきましょう。
物理的耐用年数
物理的耐用年数は、建物が使えなくなるまでの期間を指します。住宅が正常に機能する期間を示し、価値を評価する際に重要な要素です。
物理的耐用年数は、建物の構造や使用材料、建設技術などによって異なります。耐久性が高い材料を使用した建物は耐用年数が長く、劣化しやすい材料を使ったり施工技術が不足していたりする建物は短くなる傾向があります。
経済的耐用年数
経済的耐用年数は、家を経済的に使用できる期間を示しており、初期投資や維持費、家の周辺環境の変化などによって決まります。
初期投資は家の建設や購入にかかる費用のことを指し、維持費は修理や改善に必要な費用のことです。住宅所在地の周辺環境は、地域経済や生活水準、インフラの改善や開発の可能性など、さまざまな要因によって変化します。
期待的耐用年数
期待耐用年数は、住宅を使用できると予想される年数のことです。
新築住宅を購入する際、その家がどれくらいの期間問題なく使用できるか、また、何年後に大きな修繕や改善が必要になるかを示します。
建物の構造や使用材料、地域の気候条件などが大きく影響します。
木造住宅の実際の寿命は80年といわれている
一般的に、木造住宅の寿命は80年程度といわれています。使用する材料や採用する性能によっても異なりますが、現在では多くの木造住宅が寿命80年だといわれています。
これはあくまで一般的な指標であり、実際には適切なメンテナンスや修繕、管理が実施されていれば、80年を過ぎても住み続けられるでしょう。住宅の寿命には、家の適切な維持管理が大切です。
木造住宅に長く住み続けるためのポイント
木造住宅に長く住み続けるためには、いくつかのポイントに気を付けて生活することが大切です。
⚫︎こまめに掃除する
⚫︎定期的にメンテナンスを行う
⚫︎専門家に家を点検してもらう
ここでは、上記3つのポイントを1つずつ解説します。
こまめに掃除する
家の寿命を延ばすためには、こまめな掃除が重要です。特にキッチンやバスルームなどの湿度が高い場所では、掃除をしてカビや汚れを取り除くことで家の劣化防止に繋がります。
また、雨樋に枯葉などが溜まらないように定期的に掃除することも、ご自身で簡単にできる劣化防止対策の1つです。
定期的にメンテナンスを行う
住宅は、定期的にメンテナンスを実施することが重要です。
特に、家の外部は窓と外壁を繋ぐコーキングを中心に、築年数の経過とともに劣化します。屋根も紫外線や雨風によるダメージを受けやすく、プロにメンテナンスしてもらうことが大切です。
木造住宅においては、5年を目安に定期的なメンテナンスを実施しましょう。長く住み続けるためには、メンテナンスが大きなカギとなります。
専門家に家を点検してもらう
メンテナンスと合わせて、専門家に家の点検を依頼することもおすすめです。
建物の外部だけでなく、内部の構造や設備も経年劣化のおそれがあります。自分では見つけられない潜在的問題をトラブルが起こる前に発見でき、対策や修繕方法を提案してもらえます。
木造住宅で長期間生活を続けるためにも、定期的に専門家に点検してもらいましょう。
長く住み続けられる木造住宅を建てるポイント
長く住み続けられる木造住宅を建築する際には、下記3つのポイントを意識しましょう。
⚫︎ずっと快適に暮らせる間取りにする
⚫︎耐震性が高い住宅にする
⚫︎家の断熱性にこだわる
それぞれ解説します。
ずっと快適に暮らせる間取りにする
部屋の数や広さ、配置や窓の位置など、間取り設定においては長期間快適に暮らせることを意識しましょう。
部屋の数や配置は、生活動線や家事動線を意識して決定すると、暮らしやすさを感じられます。窓は方角や窓同士の位置関係を考慮しながら決めると、風通りや採光が良い部屋になります。
また、老後の生活も見越してバリアフリー住宅にすることがおすすめです。段差の少ない家であれば、長い間安心して生活できます。
耐震性が高い住宅にする
大きな地震が頻繁に発生する日本では、耐震性の高さにこだわることが非常に大切です。
耐震性が高い住宅は地震の力を分散させる構造を持っており、建物の崩壊を防いでくれるでしょう。地震が起きたときも家族の安全を確保しながら住宅の損傷を最小限に抑えられ、長く住み続けられる住宅となります。
家の断熱性にこだわる
家の断熱性が高いと、家の中の温度が一定に保たれて1年中快適に生活できます。冷暖房費が大幅に削減され、断熱性が低い家よりも少ないエネルギー負担で生活できるでしょう。
電気代などのエネルギー費用が高騰しても影響を受けにくいため、少ない費用で快適に生活したい人におすすめです。
長く住み続けられる木造住宅なら横尾材木店
長く暮らせる木造住宅を検討している人は、横尾材木店をぜひご検討ください。
横尾材木店では、地震や災害、シロアリなどに強い”ダイライト”という耐力面材を使用しています。シロアリによる被害や大きな地震が起きた際のダメージを受けにくいため、長く安心して住み続けられるでしょう。
また、使用する木材は産地や加工法などにおいて品質が高く信頼できると判断したもののみを使用しており、住宅購入後も安心のサポート体制を敷いています。
木造住宅で長期間快適な生活を送りたいという人は、ぜひ横尾材木店にご相談ください。
木造住宅の耐用年数に関するよくある質問
ここでは、木造住宅の耐用年数に関するよくある質問にお答えします。
⚫︎木造住宅の耐用年数が33年といわれるのはなぜ?
⚫︎リフォームすれば木造住宅の寿命は長くなる?
⚫︎木造住宅の建て替え時期はいつが適切?
上記3つの質問をそれぞれ見ていきましょう。
木造住宅の耐用年数が33年といわれるのはなぜ?
木造住宅の耐用年数が33年といわれているのは、業務用ではない木造の建築物は法定耐用年数が33年であるからだといえます。
同じ構造でも、業務用かどうかによって耐用年数が異なり、ほとんどの被業務用建築物は耐用年数が1.5倍になります。被業務用の木造建築物は法定耐用年数が33年であるため、業務用との違いを知っておきましょう。
リフォームすれば木造住宅の寿命は長くなる?
木造住宅の寿命を延ばす方法として、リフォームは効果的です。既存の構造を強化して新しく高性能な技術を導入すれば、建物の耐久性と寿命を大幅に伸ばせます。
さらに長い期間安全に生活できるため、木造住宅で長く生活したいという人にはリフォームの検討がおすすめです。
木造住宅の建て替え時期はいつが適切?
木造住宅の建て替え時期は、住宅の状態や性能によって異なります。国土交通省によると、木造住宅の期待耐用年数は以下のように分類されます。
これを踏まえると、一般的な住宅では50〜60年、劣化対策等級3の認定を受けた家では75〜90年を目安に建て替えることがおすすめです。長期優良住宅では100年を超えても住み続けられると期待されているため、建て替えの必要がほぼないといえます。
木造住宅の耐用年数を把握して長く住める家づくりを
この記事では、木造住宅の耐用年数について解説しました。
木造住宅の耐用年数を示す指標にはさまざまあり、それぞれ意味が異なります。違いや年数をしっかりと把握して、どれくらいの期間住み続けられるのかを理解しましょう。
また、木造住宅は生活や建てる際のポイントによって居住できる期間が異なります。この記事で解説したポイントを押さえて、長く生活できる家づくりを目指しましょう。
長期間住み続けられる木造住宅を作りたいという人には、横尾材木店がおすすめです。こだわりの材料で安心安全な生活を続けられるほか、長期間のサポート体制があるため、メンテナンスや点検の依頼も可能です。