理想のマイホームを建てるには、住みやすいと思える街を選ぶことも大切なポイントです。
では、自分や家族にとって住みやすい街とは、どのような条件がそろった地域のことなのでしょうか。
ここでは、多くの人が住みやすいと感じる街の条件を、交通アクセス、生活利便性、家の立地、安全性などの観点からお伝えします。
マイホームを土地探しから検討されている方は、参考までにご一読ください。
交通アクセスから見る住みやすい街のポイント
通勤・通学などの利便性から、住みやすい街を探している人は多いと思います。
「駅やバス停が近くにあるか」「幹線道路に出やすい立地か」など、交通アクセスは土地選びをする上で重要なポイントの一つです。
公共交通機関の場合、単にその有無だけを調べるのではなく、「勤務先まで乗り換えなしで行けるか」「運行本数は多いか」「帰りが遅くなっても、その時間帯まで運行しているか」といった利便性の点もチェックしておきたい項目です。
また、車で移動することが多い人なら、交通量や渋滞の有無も確認しておきたいところです。
特に、週末には車で出かけることが多い方は、混雑しやすい曜日や時間帯、裏道の有無なども確認しておくと、移動がスムーズになるでしょう。
生活利便性から見る住みやすい街のポイント
家の周辺に、どんな施設が揃っているかも、住みやすさを左右するポイントです。
コンビニやスーパーなど生活必需品のそろった施設のほか、学校、病院、公園など、利用することの多い施設が近くにあるかも街選びの際にチェックしましょう。
必要な施設が自分のライフスタイルに適しているかといった点も、チェックしたいポイントです。
たとえば、帰りの時間が遅い人なら深夜まで営業しているスーパーが近くにあると重宝します。
総菜などが充実していれば、家事負担も軽減するでしょう。
営業時間や品揃えなども、自分たちのライフスタイルに合っているかも確認したいところです。
このほか、小さな子どものいる家庭なら託児施設の開園時間や空き状況も知りたいポイントでしょうし、小児科のクリニックや救急病院、遊具の揃った公園など、必要な施設の有無や使い勝手などもチェックしましょう。
育児支援サービスから見る住みやすい街のポイント
子育て世帯の方なら、周辺の施設だけでなく「自治体の子育て支援制度」にも着目して街選びをすると、一層安心です。
自治体によっては、支援サービスが充実した街もあります。
一例として埼玉県本庄市では、子どもの生まれた家庭には、健康保険の出産育児一時金のほかにも「子育て支援金」を支給しています。
支給額は、第1子と第2子は2万円、第3子以降は3万円です。
また、子どもが高校を卒業する(18歳になった年の年度末)までの医療費の助成も行っています。
子どもは病気やケガの多い年代ですから、こうした助成の手厚い街を選ぶと家計にもゆとりが生まれるでしょう。
他の自治体でも、専門家が育児の悩みを無料でアドバイスしてくれたり、地域のボランティアが子どもを預かってくれたりといったサービスを提供しているところもあります。
こうした街を選べば育児負担の軽減につながります。
家の立地から見る住みやすい街のポイント
土地探しの際には、その土地がどのような立地環境にあるかを調べることが大切です。
特に、日当たりや風通しといった生活環境については確認しておきたいところ。
隣地に広い駐車場や空き地がある場合、今は日当たりや風通しが良くても、将来そこに高い建物が建って環境が変わることも考えられます。
一般的に、高台の土地は見晴らしがよく生活環境も良いというイメージがあります。
ただ、高台は坂道の多い地域でもありますから、徒歩や自転車での移動に苦労するかもしれません。
車だと気にならない坂道でも、実際に歩いてみて移動しやすいかを確認することも大切です。
このほか、緑や水の多い公園に隣接した土地だと、夏に蚊などの虫が繁殖して窓を開けられないことがあるかもしれませんし、周辺に交通量の多い道路があれば騒音に悩まされる可能性もあります。
このようなリスクに、「どんな対策をすれば住みやすくなるか」という視点で土地探しを進めることも大切です。
安全性から見る住みやすい街のポイント
安全性の観点では、「治安」と「防災」の2点から住みやすい街を選ぶと、安心感が高まります。
土地探しは日中にされる人が多いですが、治安の点で考えると夜間を想定して確認したいポイントがいくつかあります。
たとえば、「駅から家までの道に街灯があるか」「交番やコンビニなど何かあった際に駆け込める場所があるか」などが、チェックするポイントです。
また、空き家の多い地域も注意が必要です。
最近は、空き家が犯罪の温床となることが問題になっています。
下校中の子どもが犯罪に巻き込まれる可能性も考えられますから、心配な方は不動産会社に確認すると良いでしょう。
一方、防災の観点では大地震や風水害、土砂災害などのリスクを確認します。
土地の背後に竹藪の茂った斜面があると、集中豪雨や大地震の際に地すべりや土砂崩れに巻き込まれる可能性があるでしょう。
また、川に近い平坦な土地だと、洪水が発生したら浸水するリスクがありますし、埋め立て地やかつて田んぼや沼だったところでは大地震で液状化現象による被害を受けることも想定されます。
こうした災害リスクは、自治体が公表するハザードマップで確認できます。
どんな地域でも自然災害のリスクは避けられませんので、少しでも安心して暮らせる街を選ぶことが住みやすさにつながるでしょう。
資産性から見る住みやすい街のポイント
子や孫の世代まで住み続けられる長期優良住宅を検討されている方は、街の将来性にも着目して土地探しをされてはいかがでしょうか。
たとえば、家の近くに近い将来、新しい駅や商業施設などが生まれる街だと資産価値がアップする可能性があります。
将来、何らかの理由で売却することになっても、資産価値を保ちやすい街の方が買手も多く、売却活動がスムーズに進められるでしょう。
相続の観点でも有利ですし、立地条件によっては賃貸として貸し出して家賃収入を得ることも可能です。
資産性を重視した土地選びをされている方は、将来の街の計画にも注目し、多くの人が住みやすいと感じられるところを選びましょう。
世代別で考える住みやすい街の条件
住みやすい街に求める条件は、家族構成や年齢によっても異なります。
ここで、結婚から高齢になるまでの住みやすい街の条件を、世代別に見ていきましょう。
新婚カップルに求められる住みやすい街の条件
結婚したばかりの夫婦が家を購入するなら、二人の時間を楽しめそうな施設が近くにある街を探してみましょう。
時間を気にせずゆっくり過ごせそうなカフェがあれば、仕事帰りの待ち合わせ場所になるでしょうし、映画館を併設したショッピングモールがある街なら、休日も楽しめそうです。
また、ドライブの好きなカップルなら、大きな商業施設が立ち並ぶインターチェンジの近くだと、不自由なく過ごせるかもしれません。
どんな施設があると充実した時間をつくれるかを二人で話し合い、その施設が多い街を探してみましょう。
育児世帯に求められる住みやすい街の条件
小さなお子さんのいる家庭なら、小児科のクリニックや救急病院などが近くにあると安心です。
また、小学校や中学校などが近ければ登下校の負担を軽くできますし、何かあったときに親がすぐに駆けつけられます。
こうした周辺施設を探す際には、「どんな子に育って欲しいか」という親の考えに合う街を選ぶこともポイントです。
たとえば、子どもにのびのびと育って欲しいと考える家庭なら、大きな公園や自然を身近に感じる施設が近くにあると良いでしょう。
教育に熱心な家庭なら、進学率の高い高校や塾が近くにある街を選ぶのも良いですし、有名校に通いやすい交通アクセスから街選びをするのも一手です。
共働き世帯に求められる住みやすい街の条件
共働き世帯なら、家事の負担を抑えられそうな施設が充実した街を選ぶこともポイントです。
たとえば、お弁当やお総菜が充実したスーパーが近くにあれば炊事の手間を省けますし、飲食店の充実した街なら二人で食事をして帰る生活もできるでしょう。
育児世帯にもいえることですが、お子さんのいる共働き家庭なら、休日や夜遅くまで預かってくれる託児施設があると育児負担を軽くできます。
育児世帯が多く暮らす街には、待機児童問題があるかもしれません。新居を建てる予定の自治体に待機児童がいないかをチェックすると、より安心です。
シニア世代の夫婦に求められる住みやすい街の条件
熟年夫婦に適した街は、高齢になっても不自由なく過ごせる街を選ぶことが大切です。
スーパーや病院などが徒歩圏内にある地域であれば、車が運転できなくなっても安心でしょう。
坂道の多い地域だと、徒歩で移動するのに苦労するかもしれません。
フラットな地形の街や、バスが充実している街を選ぶと、移動が楽になります。
郊外の街で暮らす場合でも、公共交通の充実度はチェックしたいポイントです。
まとめ
住みやすいと感じる街の条件は、人それぞれ異なります。
それは、自分や家族にとって必要な施設や環境が違うからです。
家族みんなが住みやすい街を選ぶには、「自分や家族に必要なものが何か」を話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
もっとも、すべての条件を満たす街はなかなか見つからないでしょう。
必要なものに優先順位をつけて、できる限り多くの希望をかなえられる街を選ぶこともポイントです。
また、今は不要でも将来必要になる施設や環境があるかもしれません。
長く住み続けるには、将来のことも視野に入れて利便性の高い街選びをすることも大切です。