「マイホームを買うのは、どのタイミングが良いか?」と、住まいの購入時期を模索している方は少なくないでしょう。
家を建てるタイミングは、人それぞれ。
年齢にもよりますし、ライフステージの変化から決める方もいらっしゃいます。
では、世のなかの人々は何歳くらいで家を購入しているのでしょうか。
また、購入するタイミングごとに、考えなければならないことは何でしょうか。
ここで、年代別やライフステージ別に、家を建てるメリットや注意点をまとめて解説します。
住宅購入の平均年齢は何歳?
国土交通省がまとめた調査報告書に、「マイホームを初めて購入したときの年齢(一次取得者の平均年齢)」について調べたデータがあります。
それによると、注文住宅を建てた方の平均年齢は39.5歳、分譲戸建住宅は37.5歳、マンションなどの分譲集合住宅は39.9歳だったそうです(※)。
年代別にみると、いずれも30代がもっとも多いという結果に。30代が占める割合は、注文住宅が45.1%、分譲戸建住宅は50.4%、分譲集合住宅は45.2%と、家を購入する人の半数近くが30代で買っていると報告されています。
マイホームを購入される方の多くが住宅ローンを利用しており、「定年までに完済させたい」と考える傾向があります。
つまり、定年から返済期間を逆算すると、「30代で購入しよう」と考える方が多いのではないかと推測されるのです。
※ 参考:国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf
【年代別】マイホーム購入のメリット・注意点
一般的には、30代でマイホームを買う人が多いものの、購入する年齢は人それぞれ異なります。
その年代で購入した方がメリットの大きいケースもありますし、逆に注意しなければならないこともあるのです。
ここで、年代別に家を建てるメリットと注意点を確認しておきましょう。
20代で家を買うメリットと注意点
20代で家を買う一番のメリットが、住宅ローンの返済期間を長く設定できることです。
通常の住宅ローンは返済期間が最長35年に設定されていますが、20代なら定年前に完済でき、老後も返済が続く心配がありません。
また、返済期間が長くなれば毎月の返済額を抑えられますから、家計の負担も軽くできるでしょう。
ただし、返済期間が長くなるほど金利負担が増え、トータルの返済額は多くなります。
また、年収が少ない20代だとローンの借入額も少なくなる恐れがあります。
借入額が少ないと、物件の選択肢が限られたり、こだわりを実現できなかったりする場合があります。
ある程度の年収を得られるようになってから、家を検討する方が良いでしょう。
30代で家を買うメリットと注意点
安定した収入が得られるようになる30代。
将来のライフプランも固まり始めるころでしょうから、家を買うのに適した時期といえます。
とりわけ家族構成が決まれば、家の間取りなども決めやすく、家族が増えて間取りの変更が必要になるといった手間やコストを最小限に抑えられるのが、メリットの一つです。
一方で、転勤や転職の多い人は購入時期の判断が難しいかもしれません。
仮に、転勤で家族全員が引っ越すことになれば、せっかく購入したマイホームを手放すことになるでしょう。
将来のライフプランをしっかり固めた上で、家の購入時期を決めることが大切です。
40代で家を買うメリットと注意点
40代になれば、家族構成もライフスタイルも固まり、理想の家を明確に描きやすい年代といえます。
ある程度の年収を得ている方であれば、住宅ローンの借入可能額も多くなり、ワンランク上の住まいを手に入れることが可能です。
ただし、返済期間が短くなる点には注意が必要です。
返済期間が短いほど毎月の返済額が高くなるため、家計を圧迫する恐れがあります。
お子さんのいる家庭なら教育費もかかりやすい年代ですし、本人も病気やケガのリスクが高まり突発的な出費が増える年代でもあります。
何があってもローン返済を滞らせないよう、ゆとりある返済計画が立てられる借入可能額を検討することがポイントです。
50代で家を買うメリットと注意点
最近は、子どもが独立した後に夫婦二人だけのマイホームを検討される人が増えているようです。
子どもの教育費などもかからなく50代なら、家計に余裕が生まれやすく、家を購入するタイミングに適しているでしょう。
また、バリアフリーに対応した家を建てることで、将来リフォームする手間やコストを最小限に抑えられます。
注意点は、住宅ローンを使えない可能性が高いこと。ローン返済期間が短くなることに加え、健康状態によっては団体信用生命保険に加入できない可能性が高まるからです。
住宅ローンの利用を検討されている方は、自己資金を増やしたり健康管理に注意したりと、さまざまな観点から対策する必要があります。
【ライフステージ別】マイホーム購入のメリット・注意点
出産や子どもが進学するタイミングに合わせてマイホームを購入される人も多いです。
それぞれのライフステージで家を買うときのメリットと注意点をまとめました。
結婚のタイミングで家を買うメリット・注意点
結婚は、家族が増える最初のライフステージです。
新しい家も必要になりますから、マイホーム購入に適したタイミングといえます。
ただ、結婚前後は何かと出費の重なる時期です。
互いの収入もまだ少ない可能性があります。
住宅ローンの借入可能額も少なくなり、購入できる物件が限られる場合があるかもしれません。
また、これから家族が増えることも考えて家づくりを進める必要がありますし、出産・育児で長期休暇を取っても、住宅ローンの返済が滞らないよう綿密な返済計画を立てることも大事です。
将来のライフプランと資金計画を十分に検討したうえで、マイホームの購入を検討しましょう。
出産のタイミングで家を買うメリット・注意点
出産も家族が増えるタイミングですから、新居の購入を検討するタイミングでしょう。
育児のしやすい環境を求めて、土地探しを始める方も多いです。立地における注意点は、幼稚園や小学校、公園、病院といった子どもがよく利用する施設が近くにあるかをチェックすること。
共働きの家庭なら、夜遅くまで預かってくれる託児施設もあると便利でしょう。
また、「子どもは何人欲しいか」を考えることも大切です。
まだ増える予定の方は、間取りを柔軟に変更できる家づくりを検討しましょう。
進学のタイミングで家を買うメリット・注意点
子どもが幼稚園や小学校などに進学するタイミングで、マイホームを購入される方も多くいらっしゃいます。
家族構成やライフスタイルが固まってくる時期でもありますから、家づくりのプランも描きやすいでしょう。
転校を避ける上でも、適したタイミングといえます。
ただ、子どもが二人以上いる家庭の場合、どの子が進学したタイミングで家を購入するかで迷われる方も多いようです。
上の子が小学校に、下の子が幼稚園に入るのが同じ時期なら転校の心配はないかもしれませんが、年齢差によってタイミングが合わないときは、できる限り子どもの負担にならない時期を検討して決めることもポイントです。
子どもが独立したタイミングで家を買うメリット・注意点
子どもが家を離れ、夫婦二人だけの暮らしが始まるのを機に、マイホームの購入を検討される方も増えてきました。
二人の趣味や嗜好などにぴったりな家を建てることで、充実したセカンドライフが送れるでしょう。
このタイミングで家を検討する際には、バリアフリーに対応した住まいにすることがポイントの一つです。
段差の少ない家や生活導線の短い間取りなど、身体が不自由になっても住みやすいプランを検討しましょう。
平屋などコンパクトな家を建てるのも一手です。
また、住宅ローンを利用する際には、毎月の返済が家計を圧迫しないよう借入額や期間を調整する必要があります。
自己資金を蓄えたり、退職金で繰り上げ返済をしたりと、綿密な資金計画を立てることも大切です。
マイホーム購入時の注意点
年代やライフステージに関係なく、マイホームを購入する際にはあらかじめ考えておきたいポイントがいくつかあります。
以下の点もしっかり検討した上で、家を購入するタイミングを決めましょう。
将来のライフプランをしっかり固める
家は、この先何十年と住み続ける場です。
今のライフスタイルに適した家でも、環境や考え方などの変化により、住みづらくなることがあるかもしれません。
それを防ぐには、可能な限り将来のライフプランをしっかり固めることが大切です。
具体的には、子どもの人数や進学先、定年後の暮らし方といった将来のビジョンを明確にした上で、立地や生活環境、間取りなどを検討することで、長く住みやすい家を実現しやすくなります。
住宅ローンの返済計画を立てる上でも重要なことですから、家族で将来について話し合いましょう。
住宅ローンはゆとりある返済計画を立てる
住宅ローンを利用する場合は、余裕をもって返済計画を立てることが重要です。
長い人生には、病気やケガなどで急な出費が必要になることもあるでしょうし、転職などにより収入が減ることも考えられます。
家計の状況が変わっても、毎月の返済額は変わりませんので、毎月滞りなく返済できる額を算出した上で借入額を決めることも、ゆとりある返済計画を立てる上でのポイントです。
まとめ
マイホームを購入するタイミングを、年齢やライフステージという観点だけで決められない方もいらっしゃるでしょう。
収入の変化も大きな要因になるでしょうし、住宅ローンを利用される方なら金利の変動も気になるところです。
マイホームは、「欲しくなったときが買い時」ともいわれますが、無計画に決めると将来の暮らしが大変になるケースもありますので、さまざまな観点から検討し、ベストなタイミングを決めることが大切です。