マイホームを建てる土地を探している方なら、「建築条件付き土地」というキーワードを一度は目にしたことがあると思います。
建築条件付き土地には、立地や広さなどの条件が似ている他の土地と比べて価格の安い物件もあり、気になっている方もいらっしゃるでしょう。
ところで、建築条件付き土地には、どんな「条件」が付いているのでしょうか。
建築条件付き土地にマイホームを建てるメリットやデメリットも含め、基本的な情報をまとめてお伝えします。
▶建築条件付き土地の「条件」とは
建築条件付き土地とは、その土地に建てる家の施工会社が、あらかじめ決まっている土地のことです。
建築条件付き土地を購入すると、指定された施工会社と家の間取りや仕様といったプランニングを進め、一定期間内に工事請負契約を結ぶことが求められます。
つまり、建築条件付き土地の「条件」とは、「売主が指定した施工会社で家を建てること」と、「その施工会社と一定期間内に工事請負契約を結ぶこと」です。
ここでいう一定期間とは、売主や施工会社などによっても異なりますが、「土地の売買契約を結んでから3ヵ月以内」と定めている物件が多く見られます。
期間内に工事請負契約が結べなかった場合は、土地の売買契約も白紙となり、手付金などの売買契約時に払ったお金は全額買主に返還されるのが通例です。
ただし、契約条件によっては手付金などが戻ってこないケースもありますので、売買契約を結ぶ前にあらかじめ確認しておきましょう。
▶建築条件付き土地のメリット
建築条件付き土地を購入してマイホームを建てるメリットには、次のようなことが挙げられます。
価格が割安な物件が多い
建築条件付き土地は、似たような立地や広さの土地と比べて、価格の安い物件が多く見られます。
これは、家を建てることで得られる利益も含んで、土地を販売しているからです。
建築条件付き土地には、売主と施工会社が同じというケースもあります。
この場合、土地の価格を安くして利益が少なくなっても、建築費の利益で取り返すことが可能です。
つまり、「建築費で利益が出せれば、土地の価格を値引きしても問題ない」と判断される傾向があるため、割安な物件が多く見られるのです。
また、価格を安くすれば早く売れて建物の利益も早々に得られますし、売れ残ることで必要な土地の管理費や固定資産税など余計なコストがかからないという一面もあります。
施工会社を選ぶ必要がない
一般的に注文住宅を建てる場合、土地探しと並行して施工会社も決める必要があります。
建築条件付き土地であれば、施工会社はすでに決まっていますから、この手間を省けます。
もっとも、施工会社を選べないというデメリットもありますが、家を建てる会社にこだわりがない人や、入居時期が決まっており早く新居に引っ越したい人にとっては、メリットといえるでしょう。
比較的に自由度の高い家を建てられる
建築条件付き土地に建てられる家は、ある程度のプランが決まっている物件もありますが、基本的には間取りやデザインなどは自由に決められます。
注文住宅と同じく、家族構成やライフスタイルにあわせて家づくりを進めることも可能です。
ただし、施工会社によっては制限を設けているところもあります。会社によっては、選択できるプランが少ないところもありますし、使用できる建材や設備も制限されるケースもあります。
建築条件付き土地を選ぶときは、施工会社が「自分たちの要望にどこまで対応できるか」という点も確認することが大切です。
▶建築条件付き土地のデメリット
建築条件付き土地を検討する際には、以下の点を留意しておく必要があります。
施工会社を選べない
建築条件付き土地は、指定された施工会社で家を建てることを前提に販売しているため、ハウスメーカーや工務店を自由に選べないことがデメリットの一つです。
施工会社によっては、希望する条件に対応できず理想の家を実現できない可能性もあります。
土地の購入を検討する際には、施工会社の建築事例や技術力なども確認することが求められます。
適正価格の判断がしにくい
注文住宅の建築費は、施工会社によって見積額が異なります。
同じ間取りや仕様の家でも、工法の違いや得意・不得意などがあるため、大きな差が出ることもあるのです。
このため、注文住宅を建てる際は、複数の施工会社に建築費の見積もりを依頼して比較検討するのが一般的です。
しかし、建築条件付き土地では施工会社が選べないため、費用の比較検討ができません。
また、比較検討をしていれば、ある程度の相場を把握できますが、建築条件付き土地では相場を知る機会を失い、適正価格を知らないまま家づくりを進めることになります。
設計の期間が決まっている
建築条件付き土地は、土地の売買契約後、一定期間内に施工会社と工事請負契約を結ぶことも条件になっています。
仮に3ヵ月とした場合、この期間内に間取りやデザイン、必要な設備など設計プランを決めなければなりません。
一般的に、注文住宅の設計にかかる期間は3ヵ月が目安といわれますが、こだわりのある人や打ち合わせの時間が取れない人だと、3ヵ月が短く感じるでしょう。
プランが決まっても予算がオーバーすれば、改めて設計を検討し直す必要がありますし、期間内に工事請負契約が結べなければ土地の売買契約も白紙撤回され、一からやり直しになってしまいます。
施工会社との打ち合わせの時間が取れるよう、スケジュールを柔軟に調整することも大切なポイントです。
▶建築条件付き土地の「条件」は外せる?
建築条件付き土地では、施工会社があらかじめ決まっています。
しかし、「別の施工会社で設計や施工を依頼したい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
原則としては、施工会社は変えることはできませんが、場合によっては建築条件を外して別の施工会社で家を建てることも可能です。
ただし、条件を外す代わりに土地の価格に数百万円を上乗せするなど、売主側が提示する要望を満たす必要があります。
先ほども説明した通り、建築条件付き土地は「土地と建物をあわせて利益を最大化できること」が、売主(施工会社)にとっての最大のメリットです。
土地だけを販売しても希薄な利益しか得られない物件もありますから、建築費の利益分を上乗せすることも求められるでしょう。
こうした交渉は個人では難しいので、建築を依頼したい施工会社に相談してみるのも一手です。
なお、売主が「条件は外せない」と断る可能性も高いので、その点は理解しておきましょう。
▶建築条件付き土地を購入する際の注意点
建築条件付き土地の契約は、あくまでも「土地の売買」に関する契約です。
「土地と建物を一緒に購入する」という勘違いから、不動産会社に不当な契約を結ばされたり資金面でトラブルに巻き込まれたりするケースもあるようです。
こうしたトラブルを避けるために、以下の点は理解しておく必要があります。
売買契約と工事請負契約は同時に結べない
「施工会社が決まっているから」といって、土地の売買契約と工事請負契約を同時に結ばせようとする不動産会社がいるようです。
しかし、工事請負契約は設計プランが決まってから施工会社と結ぶものですから、土地の売買契約と同時に結ぶことはできません。
なかには、「建物の売買契約」のような名称で契約を迫る業者もいるようです。
後にトラブルになるおそれがありますので、こうした業者とは取引をしないようご注意ください。
建物分の仲介手数料は生じない
不動産会社で建築条件付き土地を購入する際には、土地に対しての仲介手数料が生じますが、建物の仲介手数料は不要です。
一部の不動産会社では、建物分の仲介手数料を求める業者もいるようですが、そもそも施工会社はすでに決まっているため不動産会社が仲介や斡旋をしたわけではありませんし、建物の価格も決まっていません。
建築条件付き土地の売買契約を結ぶ際には、仲介手数料が適切な額かもチェックしましょう。
土地の購入費用に住宅ローンは利用できない
建築条件付き土地は、建物とセットで購入するというイメージがあるためか、「土地の購入費用に住宅ローンが使える」と思われている方もいらっしゃるようです。
しかし、建築費が確定していない段階で住宅ローンを契約することは、原則としてできません。
基本的には、建物の設計プランや見積額が決まってから、住宅ローンの本審査に申し込むのが一般的な流れです。
つまり、土地を購入する段階で住宅ローンの契約はできないのです。
注文住宅と建てるときと同様に、建築条件付き土地の費用は、自己資金で払うか「つなぎ融資」を利用しましょう。
▶横尾材木店の建築条件付き土地について
横尾材木店でも、北関東を中心に建築条件付き土地を取り扱っており、お客様の希望にあわせて理想の住まいをご提案しています。
当社が土地を造成し、都市ガスや上下水道も整備しており、これらの費用も土地価格に含まれています。
建築プランは大きく二つ。当社の設計担当者と打ち合わせをしながら一から家づくりを進める「フリープラン型」と、既存プランをベースにお客様のご要望に合わせてカスタマイズしていく「規格型」を用意しています。
なお、規格型でも数百のベースプランを用意しており、標準設備も充実していますから、スピード感やコストパフォーマンスを優先される方には「規格型」がおすすめです。
横尾材木店で家づくりをご検討の方は、建築条件付き土地も併せてご検討ください。
>横尾材木店の建築条件付き土地はこちら
(リンク先:https://www.yo-ko-o.com/pg-landforsale/)
▶まとめ
建築条件付き土地を検討するときは、売主が指定した施工会社や対応できる家のプランについても確認することが大切です。
理想の土地を購入できても、施工会社が求める制約や条件によっては、理想の家を実現できないかもしれません。
施工会社の建築事例や実績、標準プランやオプションなども含めて、納得できる物件を選びましょう。